ハウステック、フジクリーン工業 次世代環境配慮型浄化槽で第38回「環境賞」 優良賞を共同受賞

2011年08月05日

 

株式会社ハウステック(東京都板橋区;代表取締役社長 渡辺 成夫)とフジクリーン工業株式会社(愛知県名古屋市;代表取締役社長 渡辺 嘉一)は、共同開発し、実用化した高度処理浄化槽(ハウステック KTG型、フジクリーン CF型)が、第38回「環境賞」 優良賞(日立環境財団、日刊工業新聞社主催 環境省後援)を共同受賞しました。なお、表彰式は6月8日に東京プリンスホテルにて執り行われます。

わが国の公共用水域の水環境、特に閉鎖性水域については、その改善がなかなか進んでいません。その大きな要因の一つにトイレ排水しか処理できない単独浄化槽が現在も約545万基設置されており、生活雑排水の未処理での放流が続いていることがあげられます。生活雑排水が未処理で放流されることから、その中に含まれる汚濁物質が河川から海洋域まで流出し、東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海といった閉鎖性水域での汚れの最大要因となっており、全体の約25%を占めています。水環境の改善と健全な水循環を構築するためには、単独浄化槽から浄化槽への転換が急務といわれています。しかし、従来の浄化槽は単独浄化槽の約2倍の大きさがあり、既に単独浄化槽が埋設されているところへ入替することは非常に難しいとされていました。両社は、これらの社会ニーズにこたえるために平成17年より共同研究を開始しました。

平成22年に両社で実用化した高度処理浄化槽は、浄化槽内の汚泥発生量を抑制する新技術を導入することで、省スペース・省容量化を実現し、大きな課題であった単独浄化槽から浄化槽へのスムーズな転換を可能にしました。また、好気処理とろ過処理を浄化槽内で繰り返し行うことで放流水質はBOD15mg/L以下(下水道放流水質基準と同程度)、SS10mg/L以下、T-N20mg/L以下まで浄化されますので、環境負荷の低減に貢献します。
また、今回の開発品では、低炭素化社会の実現にも配慮しました。省容量化による製造部材の削減、製造エネルギーの省力化、運搬効率、施工性の向上、運転時のブロワの省エネ化および汚泥の発生抑制など製造から設置、使用運転までの各段階における省エネルギー化を実現し、従来型の浄化槽に比べCO2 排出量を10%以上削減しました。

今回の浄化槽開発をとおした両社の活動に対して、高い評価をいただきました。本商品が単独浄化槽からの迅速な合併転換という新しい市場を切り開いていくことで、日本の水環境の改善と低炭素化社会構築に大きく貢献できるよう尽力して参ります。

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