浄化槽
一般的に水深が浅いと、「汚泥の分離性能不足」「酸素溶解効率の低下」が性能に影響します。KRSでは、「流量調整機能による汚泥流出抑制及び、エアリフトポンプによる分離性能の効率化」「ばっ気強度増加による酸素溶解効率の向上」により処理性能の向上を図っています。
KRSの処理方式は、構造基準でお馴染みの、沈殿分離槽+嫌気ろ床槽+接触ばっ気槽+沈殿槽となっており、分かり易い構造となっています。
通常時、流入水量の時間変動を緩和するピークカット機能によって、低水位と流入管底には130mmの落差があります。もし、ピークカット移送エアリフトポンプが止まっても、各仕切板に設けたオーバーフロー口から、水が流れるように設計されています。
通常時、流入水量の時間変動を緩和するピークカット機能によって、低水位と流入管底には130mmの落差がありますが、短い時間に多量の水が瞬時に流入した場合、一時的に流入管が数cm浸かることがありますが、流入配管の途中にトイレットペーパー等が残っても、浴槽等からの排水の流入で押し流されるため、配管途中で詰まることはほとんどありません。また、流入バッフル(整流板)が設置されているため、スカム(浮上した汚泥)が流入管を塞いだり、の逆流することもありません。
流入水量の時間変動を緩和するため、沈殿分離槽と嫌気ろ床槽上部にピークカット機能を備えていますので、通常、接触ばっ気槽に汚泥が流出することはありません。接触ばっ気槽の上流の汚泥貯留部分にピークカット機能を備えた浄化槽は、ハウステックのKRS型だけです。清掃の判断目安を教えてください。
原則として、沈殿分離槽と嫌気ろ床槽は1年に1回、接触ばっ気槽と沈殿槽は適宜適正量です。自治体の基準に従って行ってください。ただし、堆積汚泥が、沈殿分離槽700mmで、かつ、嫌気ろ床槽300mmを超えたら、清掃が必要と判断します。
補修できます。破損部分を面荒らし、プライマー処理後、ウレタン系接着剤で接着します。
DCPD槽は現在まで約45万台出荷していますが、破損の事例がありません。変形によってDCPD外槽とFRP仕切板の剥離事例はありますが、上記の方法で補修できます。
立上がりを早めるため、工場出荷時に、イグアス-Exを2個、接触ばっ気槽に投入済みです。
流入バッフルの開口の面積(片側)は、流入管の面積よりも大きく取っていますので、閉塞はほとんどありません。
沈殿分離槽と嫌気ろ床槽の上部は連通しており、沈殿分離槽で発生したスカムがを嫌気ろ床槽でも貯留でき、濃縮作用により、より多くスカムが貯留できる設計になっています。
沈殿分離槽と嫌気ろ床槽の境は、水面下にあり、上からでは見えません。目安としては、清掃孔より前側が沈殿分離槽になります。
沈殿分離槽と嫌気ろ床槽(上流側)の上部は連通していますが、下部は仕切られています。2つの槽の上部を連通することで、沈殿分離槽で発生したスカム(浮上した汚泥)を嫌気ろ床槽(上流側)でも貯留でき、濃縮作用により、より多くスカムを貯留できる設計になっています。
嫌気ろ床槽は、阻流版により前後(上流側と下流側)に分けられおり、底部で連通しているため、移流管がありません。嫌気ろ床槽の反応効率を高めるために前後に区切られています。清掃時は、清掃孔から引き抜けば、前後同時に引き抜くことができます。
スカムが発生していると言うことは、微生物が活発に活動していることであり、その分、ガスが発生しやすくなっています。スカムの上からパイプ等を差し込み、ガス抜きをしてください。スカムが崩れてしまいますが、直ぐに再生しますので、問題ありません。
また、KRS型は接触ばっ気槽以前に流量調整機能を備えていますので、崩れたスカムが後段に流出することもありません。
接触ばっ気槽では、構造基準型の逆洗強度以上のばっ気強度で全面ばっ気していますので、閉塞はほとんどありませんが、逆洗をする場合には、以下の方法でお願いします。
①嫌気ろ床のガス抜きと同じ要領で、接触ばっ気槽のろ材間にパイプ等を差し込む。
②ろ材(φ100×100㎜、浮上性、ランダム充填)を撹拌し、付着した汚泥を落とす。
③同時に、循環エアリフトポンプのバルブを最大にして、約5分間汚泥を返送する。
④撹拌を止め、バルブを元に戻す。
約5分間の返送で、返送水にSS(水中に漂っている水に溶けない物質)が残っていることがありますが、通常の循環でも返送されますので、問題ありません。
万一のことを考えて、定期的な逆洗をお勧めします。
接触ばっ気槽では、構造基準型の逆洗強度以上のばっ気強度で全面ばっ気していますので、閉塞はほとんどありません。
散気管上部の空気配管を外して、水道ホースを直結します。水道水を目一杯5秒程度送水し止めます。これを3回繰り返します。
接触ばっ気槽と沈殿槽はφ100mmの移流口で連通していますが、移流口に流出防止バーを設けていますので、流出はありません。
沈殿槽から消毒槽に行く手前に、スカム流出防止用のバッフル(整流板)が設置されています。
スカム流出防止用のバッフル(整流板)と消毒槽の間に、取水部分を設けています。マンホールの直下にありますので、大き目の柄杓(ひしゃく)でも取水できます。
沈殿槽のスカムは沈殿分離槽の移流バッフル(整流板)外のスカムの上部に重ねてください。
オリフィスは、嫌気汚泥移送エアリフトポンプと、ピークカットエアリフトポンプに付いています。
施工時の小虫や砂等の混入で半分塞がれていても、一見稼働しているように見えますが、揚水量が少なくなってしまい、機能障害の原因になることがあります。
初回点検時に一度、オリフィスを布等で拭いてください。
経年の使用で、ポンプ内に汚泥が溜まってしまった可能性があります。ピークカットエアリフトポンプは、U字管になっていますので、吸込口に水道ホースを差し込んで、圧力水で、勢いよく押し流してください。
また、オリフィス(風量調整用の小さな穴)にゴミが引っ掛かっている可能性もあります。
嫌気汚泥移送エアリフトポンプは、嫌気ろ床槽底部の堆積汚泥を再処理するため、沈殿分離槽に移送します。
調整の必要はありませんが、稼働の確認のため、上部点検口から流水があることを確認してください。
流水が無い場合は、オリフィス(風量調整用の小さな穴)や、エアポンプの閉塞が考えられますので、点検してください。
浄化槽への流入負荷が少なく、嫌気ろ床の立上がりが遅い場合には、切替バルブ(青色)で水量を絞るか、一時的に停止してください。
スカム(浮上した汚泥)の生成が始まりましたら、元に戻してください。
循環エアリフトポンプは、水中で放流側に、くの字に曲がっています。サクションホースを入れる場合には、十分にご注意お願いします。
循環水量を測る場合には、切替バルブ(青色)を90度時計回りに回し、循環水のみを計測してください。槽内に要領が記載されたシートがありますので、参考にしてください。嫌気汚泥移送エアリフトポンプ水量は測る必要はありません。稼働確認のみしてください。
ブロワは1口タイプです。タイマーはありません。
浄化槽本体が専用ブロワに合わせたオリフィス設定になっていますので、汎用ブロワは使用できません。