フェリテプラス開発者 上田 栄治
開発設計チーム 開発グループ 入社19年目
フェリテプラス開発者 古村 賢二
開発設計チーム 開発グループ 入社11年目
開発するのは、安心・安全・快適に、やさしさをプラスしたバスルーム。ハウステック初となる、誰もが使いやすいと推奨されている浴槽またぎ高さ40cmへの挑戦。
それは、今後さらに進む高齢化を見据えての大命題であり、お客様の声でもあった。
しかし一方で、当たり前に思えるこのコンセプト……。
実は、当たり前だからこそ見過ごされてきたことであり、この全てをどれ一つ犠牲にすることなく、高い次元でどう叶えるか……。
その実現こそが、今までにない特別なバスルーム。
上田、古村が挑む初の試み。その開発は試行錯誤の始まりでもあった。
今までは、入り心地が損なわれるため、洗い場から浴槽の縁までの高さは、一般的な45cm前後にとどめてきた。
しかし今回は、特に浴槽がまたぎづらいというシニア層を中心とする声に応えたかった。
まずは、多くの機関や福祉分野で推奨されている40cmで検討を開始、はたして40cmは、浴槽のまたぎ高さに適しているのだろうか……!?
「データを収集して、実践、実証の繰り返しでした。」
人体寸法や身体動作範囲のデータ集めにはじまり、幅広い分野の文献などを読みあさり、上田、古村はそれを確信した。
次は実践と実証。
自らはもちろんのこと、高齢者体験器具を身に付けての入浴、さらに男女問わず様々な体格・年齢の社員にも試してもらった。
すると……
千差万別の浴槽への出入り方法があることに気付く。
「本当に40cmがベストなのだろうか?」
試行錯誤の日々が続いた。
そして、導き出したのが……
「浴槽またぎ高さ39cm=どんな入浴動作にも対応する高さ。」
わずか1センチの差が入浴動作の幅を広げた。
浴槽のまたぎ高さの検証を進める中で、新たなアイディアも生まれた。
それが浴槽の内外段差0cm。そもそも浴槽の内外段差とは、洗い場の床面と浴槽の底面の高低差のことなのだが、一般的な商品だと、浴槽底面の方が5~8cm低い。
「階段を上ったり下ったりするような動きではなく、普段と同じ平面を歩くような感覚で……。」
上田と古村は、入浴時の安心・安全性をさらに高めるために、浴槽の内外段差をゼロにするという画期的なテーマにも取り組んだ。
ほかにも、使い勝手の良いカウンターや機能性をより高めた水栓などの開発を持ち前の粘り強さでひとつひとつ着実に進めていった。
様々な挑戦を成し遂げ、夢の実現へと近づいた頃、デザインチームが新たなアイディアを描き出した――「浴槽の形状、意匠です。」
「かなり奮起しました……。」
図面に描かれていた今までにない流線型の浴槽は、上田、古村をはじめとする開発チーム全員の気持ちを奮い立たせた。
「面白い。しかし、これまでにない形状のため、浴槽に付帯するエプロン構造も変えなければならない。となれば、製造部門への負担も増し、計画した発売日に間に合わなくなるかもしれない……。」
開発はデザインチームとの共同作業でもあり、自分たちが納得した状況でなければものづくりの製造現場に進めることは出来ない。
期待と不安が入り混じる中、上田は根気よくデザインチームとやりとり。一方、デザインチームは幾度となく富山を訪れ、直に議論を重ね、さらに製造現場の意見にも積極的に耳を傾けた。
その結果、この流線型の浴槽こそが、入り心地と使い勝手という二つのポイントが持つ要素を何ひとつ損なうことなく両立させる、新たな浴槽になるに違いない……全員の意見が一致した。
こうして、ハウステックはもとよりバスルームメーカー初となる、またぎ高さ39cm・内外段差0cmを実現し、まるでやさしさに包まれているような感覚を覚える美しい流線型の浴槽が誕生した。
「全員が一丸となり、一切の妥協を許さず目標を達成することで、身体に負担の少ないやさしさをプラスしたバスルームへと……
このバスルームこそが、今までにない特別なバスルーム――フェリテプラス!」
そう語る上田と古村の表情は自信に満ちていた。
「この先もずっと、やさしさあふれるバスライフを届けたい。」
ハウステックのお風呂「フェリテプラス・フェリテ」にクリン軟水が新登場。ショールームでは、展示品をご用意しており、実際に“ラクラクダ”をご体験いただけます。直接見て・触れて、お楽しみ下さい。